ペットフードを予防する

鮫の軟骨は牛のものほどに脂肪を含んでおらず、初めから純粋だといってもいいからである。 R博士とL博士は、1ミリグラムの血管造成抑制物質を抽出するのに、牛の軟骨だと500グラム必要になるが、鮫の軟骨ならわずか0.5グラムですむといっている。
換言すると、75パーセントまで血管造成を抑制する物質を一ミリグラム得るためには、500グラムの牛の軟骨が必要だが、鮫なら同じ軟骨から1000倍も多くそれがとれる。 牛の軟骨は鮫に比べて1000分の1の効果だということになる。
両博士は、植え付けた腫瘍に向かって角膜の縁から血管が伸びていくのを観察し、精巧な顕微鏡を使って、もっとも長く伸びた血管の長さを測った。 三回の実験を繰り返したが、軟骨の抽出物が血管造成を抑える働きを確認できた。
抽出物を与えなかった対照群の動物では腫瘍は大きく増殖し、伸びた血管は最長のもので平均63ミリあった。 これに対し軟骨の抽出物を植え込んだ動物では、植え込んだ錠剤の周囲に腫瘍も育たず、新しい血管もできていなかった。
角膜から伸びた新しい血管も、最長のものを平均しても15ミリの長さで、対照群に比べ血管は75パーセントも短かった。 この実験はわずか19日間のものだった。
新しい血管のネットワークができて腫瘍の増殖が始まったのは14日目で、栄養を与えた場合、5日のうちに急激に腫瘍は大きくなった。 R博士とL博士は、血管造成抑制物質として鮫の軟骨の効果を確かめたとはいえ、その業績もかすむようなレポートが、2年後に発表された。
それは、牛の軟骨を使ったガン患者に対する大きな治療実験の結果だった。 1985年、Hb大出身の外科医J・P博士が発表している。

博士は軟骨を使って傷の治りを早めるというジャンルの研究では、パイオニアだった。 Mエ科大での研究で鮫の軟骨の有効性がいろいろと確かめられ、その研究についてP博士自身が自分の論文中で言及していたにもかかわらず、一方で博士は、依然として牛の軟骨での研究を継続していたのである。
博士の仕事は、いかなる領域にせよ、治療のうえで軟骨を使う根拠を確立したという点できわめて重要な意味を持つものであった。 博士の初期の研究は、どのような動物の軟骨であってもその粉末を外用薬として使うことで、傷の治りをよくする効果があることを証明したものであった。
興味があるのは、今日の外科学の教科書では動物の軟骨製剤を使って傷の治りを促すやり方がごく普通に紹介されていることで、これはP博士が60年代にすでに行なっていたことなのだ。

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